【備忘録】自分を動かしている「悔しさ」〜自分の原点はここにあるのかもしれない〜
みなさんを突き動かすもの、仕事のモチベーションとなるものは何ですか。
「こうなったらいいな」という夢や希望。誰かに認められたいという思い。誰かの役に立ち、感謝されること。お金を中心とした対価を得ること。単純な好奇心。今よりもキャリアアップして、できることを増やしたいという思い。あるいは、状況を悪化させず、今の状態を維持したいという思い……。
人それぞれ、さまざまな原動力があると思います。
今日、自分自身の思いや考え、行動を振り返る機会がありました。 その中で、改めて感じたことがあります。
「自分を動かしているモチベーションの一つは、きっと『悔しさ』なんだろうな」と。
それは、誰かが悪いということではありません。できなかった自分への悔しさや、自分の力量のなさに対する情けなさ。そうした感情が、自分を突き動かしてきたのだと思います。
今回は、そんな自分の原点を振り返ってみようと思います。
【高校3年生のときに感じた、忘れられない「悔しさ」】
思い返せば、高校3年生のときのことです。 私は大学に合格し、高校の先生方へ報告に行きました。
多くの先生が「おめでとう!」と喜んでくれました。私自身も、「まさか受かるとは思っていなかったから、こんなに喜んでもらえてありがたいなあ」と思っていました。
ところが、当時、理科を担当していた先生は、開口一番、こう言いました。
「素直に喜べない。わかるよね」
もちろん、その意味はわかっていました。 当時の私の成績からすれば、到底受からないと思っていた大学に合格できた。今は浮かれているかもしれないけれど、大学に入ってから勉強についていけるのか。先生は、そんな心配をしてくれていたのだと思います。
「はい、わかっています」
私は、ぶっきらぼうにそう返しました。すると、先生は「ならいい」と言い、そこで会話は終わりました。
今思い返せば、先生なりの「気を緩めるな」という注意喚起だったのでしょう。 でも、当時の私は、せっかく合格を報告しに行ったのに……という気持ちでいっぱいでした。
「は? ふざけるな」
そんな思いが心の中に溢れ、たぶん生まれて初めて、本気でこう思ったのです。
「絶対に、こんな人にはならない。そのためには、見返してやる」
自分の人生においても、一生忘れられない瞬間だったと思います。
卒業以来、その先生とはお会いしていません。 それでも時々、この出来事を思い出します。
「自分が同じような思いを生徒にさせないように」 「いつか、自分がその人を超えたと思えるように」
そんな思いが、今でも自分の中にあります。
【教員になってからも、悔しいことばかりだった】
そんな思いを胸に、私は教育の世界に飛び込みました。 ……といえば格好よく聞こえるかもしれません。でも、実際はそんなにうまくいくはずもありませんでした。
新規採用の1年目。何もかもがうまくいかず、わからないまま過ぎていった毎日。 2年目。少しずつ仕事がわかってきた一方で、自分のできないことが情けなく、周囲に迷惑をかけてしまう。頑張ろうとしても、そもそも力が足りない。
何度、悔しい思いをしたことでしょう。
話を聞いてくれない生徒。生徒指導で守りきれなかった生徒。保護者に自分の思いをうまく伝えられなかった日々。荒れていくクラス。
「こんなはずじゃなかった」 「なんで、わかってくれないんだ」
授業だって、思い描いていたようにはいきません。同じくらいの年齢なのに、うまく仕事をこなしている先生をうらやましく思うこともありました。
自分だって頑張っているのに。自分なりに考えているのに。どうして、うまくできないんだろう。 そんな苦しさや悔しさを、何度も味わいました。当時は本当に必死でした。
【経験を重ねても、悔しさがなくなるわけではない】
年齢を重ね、経験を積めば自信もついてきます。できることも増えます。 しかし、それと同時に責任と過去の自分に対するできたという思いも大きくなります。
以前はうまくいっていた指導が、生徒や状況が変われば通用しない。よかれと思ってしたことが、かえって裏目に出る。こちらの思いが、なかなか伝わらない。調子に乗っていた自分とその自分の指導力のなさに情けなくなり、悔しくなることもあります。
主任などの立場がなく、自分のやりたいことを実現できない日々。提案の詰めが甘く、却下される日々。
そんな悔しさに、何度涙したことか。時間だけが過ぎていくように感じることもありました。
授業についても、指導主事からたくさんの指摘を受けました。 どれだけ考え、実践しても、なかなか認めてもらえない。自分の考え方ややり方を厳しく指摘される。反論すれば根拠を示され、さらに指導される。
若くて、とがっていた自分。 自分が正しいと思い、自分の力を過信していた自分。 だからこそ、受け入れられないことが苦しく、悔しかったのだと思います。
でも、そうした経験を重ねる中で、少しずつ考え方も変わっていきました。
「自分の主張が強すぎたんじゃないか」 「相手の話を、きちんと聞けていたのだろうか」 「まずは、自分自身を振り返ってみよう」
少しずつ周りが見えるようになり、先輩方からの助言の大切さもわかってきました。
また、何かを提案するときには、事前に関係する人たちと話をしておく「根回し(事前共有)」の大切さも学びました。 もちろん、相手を言いくるめるためではありません。いきなり提案を持ち込んで「そんな話は知らない」と困惑させないように、事前に考えを共有し、意見を聞き、よりよい形にしていく。
そんな仕事の進め方も、悔しい経験があったからこそ身につけられたのだと思います。
【今でも自分を支えてくれている言葉】
そんな日々の中で、今でも忘れられない言葉があります。 ある管理職の方から、こんな言葉をかけていただきました。
「先生は自分を振り返ることができます。自分の非や実力不足も認めることができる。それは、必ず強みになります」
正確な言葉の一句一句は違っているかもしれません。でも、そのときにかけてもらった言葉は、今でも私の中に残っています。
色々あって、辞表を常に持っていた時期。
自分が本気で仕事に向き合っていることを理解してもらえた。うまくいかないことがあっても、自分自身を振り返ろうとしていることを見てもらえた。そう感じられたことが、当時の自分にとって大きな救いになりました。
そして、今の立場になったからこそ、その言葉の意味を改めて考えることがあります。
自分の非を認めること。 実力不足を認めること。
それは、決して簡単なことではありません。 ときには、自分が正しいと思っていたことを見直さなければならない。自分の力が足りなかったと認めなければならない。
悔しいです。本当に悔しい。 でも、それを認められたときに、初めて次の一歩を踏み出せるのかもしれません。
【今、悔しい思いをしているあなたへ】
このサイトの、ましてやこのブログを読んでくださっている方が、今、何に苦しみ、何を悔やみ、何に悩んでいるのか。私にはわかりません。
仕事がうまくいかないのかもしれません。 自分の思いが相手に伝わらないのかもしれません。 一生懸命やっているのに、認めてもらえないのかもしれません。 周りの人と自分を比べて、情けなくなっているのかもしれません。 あるいは、自分の力不足を痛感し、どうすればよいのかわからなくなっているのかもしれません。
でも、自分の経験から、これだけは伝えたいと思います。
今、「うまくいかなくて悔しい」「苦しい」「どうして自分はできないんだろう」と悩んでいるなら――それは、あなたがそれだけ真剣に何かに向き合っている証拠です。目指しているものと、今の自分との間にギャップがあるからこそ、悔しいのです。
だから、その気持ちをどうか無駄にしないでほしいと思います。
今はまだ、力が足りないかもしれません。思いどおりにできないかもしれません。 それでも、今悩んだこと、考えたこと、失敗したこと、そして悔しいと思ったことは、これからの自分をつくるかけがえのない経験(蓄え)になるはずです。
ただし、ひとつだけ覚えておいてほしいことがあります。 「悔しさを抱えているからといって、自分を攻め続ける必要はない」ということです。
うまくいかなかった原因を振り返ることと、自分自身を否定することはまったく違います。
ときには休んでもいい。誰かに相談してもいい。自分ではどうにもできないことだってあります。 それでも、また前を向けるときが来たら、一歩ずつ進んでいけばいいのだと思います。
「今は、力を蓄える時期なんだ」
……と、偉そうなことを書いていますが、自分自身も、今日改めてそう思ったところです(笑)。 だからこそ、一緒に頑張りましょう。
【悔しさを、これからの自分の力に】
自分が悔しいと思ったとき、振り返ってみると、そこには自分のことを思い、厳しい言葉であっても愛情をもって話をしてくれた人たちがいました。
当時は素直に受け止められなかったり、「絶対に見返してやる」と思ったりもしましたが、今の自分があるのは、そうした経験があったからこそだと感じます。
そして、今でも自分の中には、あの頃と同じような「悔しさ」があります。
「もっとできるはずなのに」 「もっとよい方法があるはずなのに」 「どうしてうまくいかないんだろう」
でも、それも含めて、自分を動かす大切なエネルギーなのだと思います。
もし今、何かに悩み、立ち止まっているのなら。 どうしたらいいのかわからなくなっているのなら。
また、このサイトに来てみてください。
もしかしたら、何かのヒントが見つかるかもしれません。あるいは、このブログを読んで、 「またこんなこと書いてるな」 「こんなに悩みながら、だけど、変ことばっかりかいている人が教師なら、自分ももう少し頑張れるかな」 と、クスッと笑って前を向くきっかけになれたら、とても嬉しいです。
格好いいことばかりは書けません。失敗もしますし、悩みます。今でも悔しい思いばかりです。 それでも自分なりに考え、少しずつ前に進んでいきたいと思っています。
今日は、そんな自分の原点を改めて振り返る一日でした。
明日からも、また頑張ります。 一緒に、一歩ずつ進んでいきましょう!
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