【若手教員応援企画】単元を見通した理科の授業準備【こんなことしてました】
(先日訪れた動物園での一コマ。動物たちもお疲れのようです。)
私がこれまで理科の授業を作ってきた中で、大切にしていた「単元全体を見通した準備のステップ」をまとめました。これを持っておくと、授業のブレがなくなり、準備の効率もグッと上がります。ぜひ参考にしてみてください。
授業準備の4ステップ
STEP 1:ゴール(単元の出口)の確認
まずは「その単元で、最終的に生徒が何ができればOKなのか」という大枠を捉えます。
- ① 学習指導要領の確認(すべての土台)
- 1時間の枠ではなく、単元全体で身に付けさせるべき力を理解します。
- 例:1年(生命)=分類ができる、2年(物質)=化学反応を理解し化学式で表せる、3年(地球)=視点を変えて天体の動きと地球の関係を説明できる
- ② 教科書のストーリーを読み解く
- 指導要領を踏まえ、いま手元にある教科書が「その章をどのような流れで理解させようとしているか」という著者の意図を考えます。
STEP 2:評価の設計と時間配分
ゴールを決めたら、次は「どこで、何を、どう評価するか」を逆算して1章分の時間を割り振ります。
- ① 「三観点」の評価ポイントを決める
- 「知識・技能」:グラフ作成、顕微鏡の操作、小テストなど
- 「思考・判断・表現」:実験の考察、分類前の仮説設定など
- 「主体的に学習に取り組む態度」:調べ学習のレポート、班での話し合い活動など
- ② 単元全体のタイムライン(時間配分)を決める
- メリハリを意識して全体のコマ数を算出します。
- 例:「ここは探究的にやりたいから【仮説1コマ・実験1コマ・まとめ1コマ】使おう」「ここは実験が難しいから、説明でしっかり1コマ使おう」➡ 合計14時間 + レポート作成1時間 + 小テスト1時間 = 計16時間
STEP 3:各時間の「課題設定」と「プリント作成」
ここで初めて、日々の1時間ごとの具体的な中身に落とし込みます。
- ① 問い(課題)と目標の明確化
- 生徒が「おや?」と疑問を持ったり、思わず友達と話し合いたくなったりするような課題を考えます。
- ②
ICTの「効果的な」活用ポイントの選定
- 例:実験の記録、提示するWebサイト、協働学習(Classroomやオクリンク)、レポート提出など、どのタイミングで使うかをあらかじめ組み込みます。
- ③ 授業プリントの作成
- 基本となる用語は穴埋め形式でスムーズに押さえられるようにします。
- その分、「仮説」「考察」「結果」を書く欄はスペースを広く取り、生徒が自分の言葉で自由に表現できるように工夫します。
STEP 4:実験・観察器具の早期サンプリング
授業直前になって「モノがない!」と慌てないためのリスク管理です。
- 単元単位で必要な器具をリストアップし、理科室にあるか確認します。
- 足りない場合は「早めに購入する」「他校に連絡して借りる」などの手を打ちましょう。
理科の授業づくりで、絶対にブレてはいけない5つの軸
最後に、私が授業を作る上で特に大切にしている教員としてのマインドです。
1.
「点」ではなく「線」で考える 1時間ごとの点切りではなく、単元を貫く一本の線(ストーリー)として授業をデザインしましょう。
2.
三観点をバランスよく どこで何を評価するのか、要点をあらかじめ絞っておくこと。
3.
「動画を見せて終わり」にしない 必ず生徒自身が問いを持つ「探究的」なプロセスを入れ、自分の言葉でレポートを書く力を育てましょう。
4.
ICTは目的ではなく「手段」 ICTはあくまで生徒の理解を助ける道具です。使うこと自体が目的(手段の目的化)にならないよう注意します。
5.
実験器具のプランBを持っておく 器具が足りない時は、演示実験にするか、動画にするか、他校から借りるか、班の数を絞るか。早めに対策を考えておけば、どんな状況でも落ち着いて授業に臨めます。
理科の授業は、準備の段階で勝負の8割が決まります。 最初は時間がかかるかもしれませんが、この「単元見通し型」の準備に慣れると、授業中の生徒の動きがガラリと変わり、先生自身も授業がどんどん楽しくなりますよ。応援しています!
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