第70回全国中学校理科教育研究会東京大会【2日目分科会の巻】
◯分科会に参加しました。
2日の午後からは分科会へ参加しました。参加したのは4「環境教育」。理由はいくつかあるのですが、中四国の発表があること、知っている先生が発表されることなどそのような理由からという理由です。環境教育と言うことで、「SDGs」や「地域独自の」ものが多くでるのかと思っていたのですが、様々な観点から発表をされていて、広い視点を持つことができました。
1、北海道ブロックの発表・身近な場所を題材に自然事象を捉えていて、大変興味深かった。特に札幌駅周辺の再開発に対して、エネルギーという観点から自分はどのように開発を行うかというテーマに対して、生徒がそれぞれの環境を考え、持続可能な社会を実現するためには、様々な科学技術を活用し、CO2の削減やエネルギーを有効利用するような取り組みをしていこうとかなり具体的なものまでで出ていて、参考になりました。
2、関東甲信越ブロック 一番シュールで、でも、なるほどと感じたのは自分たちは自然界の一部ということを実感させるために、「植物になってみよう」ということで、外に出て、道端に生えている植物になって1時間くらい太陽に当たってみたり、風に当たってみるという実践をしていました。生徒から「自然がたくさんあることに気づけた」、「幸せな気持ち、太陽は暖かい」、「自然っていいな」という感想が聞かれたということで、ちょっと面白かったです。
3、東京①(環境教育委員)放射線教育の発表でした。「らでぃ」で計測器が借りることができるととは知っていましたが、それをうまいこと使って実験を行っていました。特にクルックス管からX線が出ているということから、牛骨とビーフジャーキーを障害物としてビーフジャーキーはすり抜けているけど、骨はすり抜けていないという実験は面白いなーと感じました。我が県では放射線はアンタッチャブルなところもあり、最終的には、ディベートを行って肯定派・否定派をそれぞれ立場で自分の得た知識で勝負をするという内容でした。一番質問をしたかったので、「インターネットの知識が正しいと限らない、特に、放射線教育に関しては都合が良いものが出ている場合があるが、そのあたりはどのように配慮しましたか?」という質問と「最初の授業で実験をされましたが、それを使って説明をした生徒がいますか。いる場合はどのような場面で使われましたか。」と聞いてみました。最初の質問は、ほぼ、副読本とらでぃのサイトを使ったということです。また、2つ目の質問は、最初のレントゲンのところは結構な生徒が説明に使っていたということです。
4、中四国ブロック香川県より、自然を生かした発表でした。まずは、教員が実際に外に出て調べてみうませんかという提案で、実際に教員団で海に出て砂を拾ってきてマイクロプラスチックを生徒に調べさせたり、川へ出て外来種を調べて、その結果を元に授業を組み立てるという内容でした。広島なら大田川とか宇品海岸で一緒に教員が出てできるかなと感じました。
5、九州ブロック熊本県からの発表でした。1番生徒思いな発表だなと感じました。というのも、この授業のきっかけが3年の環境の単元で入りこの胃のなかを解剖して、プランクトンを食べているねという食物連鎖の授業の時に、たまたまある生徒が「先生、胃からなんか謎のものが出てきました。これってプラスチックですか?」と聞かれ、みてみると5mmもないプラスチックが出てきて、「なんでかな?」という疑問を生徒が持ったことで、教員も「じゃあ、調べてみよう」ということで、調べたということでした。これが、生徒が本当に主体的に調べるということなのだろうなと感じました。この発表された先生は、過去に「たんぽぽは双子葉類ということは、発芽は双葉ですか?」と聞かれ「だと思うけど、みたことないから、やってみようか」ということで、過去にやったことがあるんですという話をされて、この先生の人柄が現れるとても良い発表でした。実際、熊本市内外の海岸で生徒のために5Lほどのゴミを広い、それを生徒に分類させて、生徒が「ここは内海だから、大きさがこうで、ここは東シナ海が近くて・・・」と発表した映像が印象的でした。
6、私立・国立東京の東京学芸大学附属世田谷中学校の発表でした。社会と合わせての教科横断授業をされた発表で、(これは国研の調査官から環境教育でこうしてみないかということがきっかけだったそうです。)川に落ちていた数種類のゴミを、プラスチックと非プラスチックに分て(実際は本物のゴミでなく、ゴミの絵を描いたカードでしたが)、プラスチックがどれだけ身近かをまずは実感させる(実は歯磨き粉やおむすにもプラスチックと定義できるものがあるんですね)、また、コーラの瓶とペットボトルでの容量と重さを計らせて、そこからなぜプラスチックが普及したのか、ノープラスチックの生活は可能かという生徒に考えさせ、自分たちが何ができるのかと自分たちの問題にさせる面白い内容でした。実験的には、発泡スチロールをアセトンで溶かし、その溶かしたものを水蒸気で加熱するとまた膨らむということで、使える!と思い、これは授業で入れたいなと思いました。
指導助言では、東京都教育センターのとても素敵な指導主事の先生から、環境教育の目的などをあらためて説明していただき、整理できたなと感じました。
また、東京学芸大学の先生から、環境教育は3年の最後の内容で、入試の時期で難しいところもあるが、今求められている探求型授業になると、なので、普段の授業の改善に役立つをいうことを考えて、大いに見習ってほしい。という内容でした。
非常に勉強になる内容でした。本日は東京大学の先生の講演です。楽しみにしています。
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