【大会参加記録】 第59回中国四国中学校理科教育研究大会へ参加しました【天体をこう見るのか!】
第59回中国四国中学校理科教育研究大会へ参加してきました。
今回の会場は「オーテピア高知未来館」。とても新しく綺麗な施設で、科学館も併設されており、裏番(※別記事)でも書いた通り、本当に過ごしやすい素晴らしい施設でした。
今回、授業研究で参観させていただいたのは、3年生の地学分野「天体」の内容です。 単元の課題は、「金星の満ち欠けと大きさの違いはなぜ生まれるのか」。タブレットを使ってモデル実験を行い、その理由を説明するという内容で、生徒たちは本当によく頑張っていました。 個人的に「すごいな!」と思ったのは、教員が日頃から毎日のように金星の写真を撮影して掲示されていたことです。こうした小さな積み重ねから、生徒に天体を身近に感じてほしいという先生の温かい願いがひしひしと伝わってきました。
【モデル実験とICTの活用が生む深い学び】
授業では、金星が「内惑星」であるという前提をあらかじめ既習していない状態からスタートするため、生徒たちは試行錯誤しながら、モデルを使った説明を懸命に考えていました。
また、教材として「小窓(スリット)のついたカード」を使用しているのが非常に印象的でした。自分が「地球から見ているのか」、それとも「宇宙を俯瞰して見ているのか」という「視点の違い」を意識できる仕組みになっており、このアプローチが素晴らしいと感じました。タブレットでモデル実験の様子を撮影し、ロイロノートで提出する作業も非常にスムーズに行われていました。
その後の質疑応答も大変活発で、この授業の優れた工夫点などがたくさん共有されました。
金星の「欠けながら大きくなり、満ちながら小さくなっている」という現象をしっかりとおさえていくこと。
ICTは単なる「デジタル紙芝居」ではなく、前の実験結果を振り返って比較できる点に大きな価値があること。
スリットを使うことで、「地球目線で見ていること」が自然と理解できるようになり、無意識のうちに地球視点と宇宙視点を往還できるようになること。ここは今後も大切にしていきたいポイントです。
さらに、「なぜその現象が起こるのか(どのように変化するのか)」を深掘りしていくためには、「内側から見るのか、外側から見るのか」という議論の視点が必要になってきます。今回使用した軌道の円は1つでしたが、これを2つにすることで、軌道の内側・外側という発展的な議論もできたのではないか――そんな風に、自分の授業づくりにも引き付けて考えさせられる深い参観となりました。 (ちなみに、モデルを使うとこんな感じになります ※写真)
【午後の分科会:実験・観察の奥深さ】
昼からは分科会へ参加しました。私が参加したのは「実験・観察」の部です。
1本目は、2年「電流と磁界」の単元。 台車にアルミ板を乗せ、ネオジウム磁石のある所を通過させると、磁石とアルミが反応してスピードが落ちる(止まる)という現象から、「どうしたらもっとしっかり止まるようになるか」を生徒に考えさせる授業でした。 条件制御、独立変数、従属変数といった科学的な思考の基本を押さえつつ、実験において「生徒にどのような力をつけさせるべきか」を改めて考えさせられる内容でした。
2本目は、3年「エネルギー」単元の有名なレールの問題。 これを単にエネルギーの保存として捉えるのではなく、「運動」として捉えさせます。「どうすればスピードの変化が分かるか?」という生徒からの意見を引き出しながら、レール上の速度を測定し、各グループでグラフ化・考察を行わせるという実践でした。
指導主事の先生からは、「見えていることから、見えないものを想像して考える。これが理科の学習で最も難しいところであり、いかにそれらを理解していくか、どのようなステップを踏んでいくのかをデザインすることが大事である」という講評をいただき、どちらの授業も「自分も次の単元でチャレンジしてみたい!」と思える大変勉強になる内容でした。 (※夢中で聞いていたら、肝心の写真を撮るのをすっかり忘れてしまいました……!)
【室戸ジオパークの記念講演】
記念講演は、室戸ジオパーク推進協議会の地質専門員の方によるお話でした。 室戸ジオパークの特徴や、現地で行われているユニークな取り組みを丁寧に解説していただきました。単なる自然の保全活動だけに留まらず、世界的な繋がりや、地元の高校生たちとの連携なども紹介していただき、地域と科学教育の結びつきの深さを実感する非常に有意義な時間となりました。
来年は岡山県での開催となります。 今年これだけ多くの刺激と学びをもらった分、来年の中国四国中学校理科教育研究大会も今からとても楽しみです!




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